え!?卒業しても作業療法士になれない!?そんなにたくさんいるの!?国家試験に落ちたら…国家試験の合格率、ワケあってこだわってます

2018/06/26


まず作業療法科の合格率ですが、3年前100%、2年前100%、そして昨年・・・残念ながら1名不合格でした。

2018年度、再び100%に。東北では大学・専門学校15校で唯一の100%達成!全国模試も3位でした

国家試験~全員合格!東北で唯一の100%達成!!いっぽうで全国の合格率は過去最・・・(汗)

全国平均は70%台なので、数字だけ見れば悪くないと言えなくもないけれど、落ちた学生の身になるとそんな数字の比較はどうでもよくて、全員合格できなかったことが悔しかったり、申し訳なかったり、そんな感情です。

3年連続100%を目指して今年も取り組んだのですが、どこか緩みもあったんだと思います。

反省も含めて、国家試験について書いていきたいと思います。

最初は60%でした。

ここ3年の合格率だけを見れば、自分で言うのもアレですけど、いい学校になってきたなと思います。

東北で、3年間続けて合格率90%以上の学校はほんの一握りですからね。

2018年度、宮城県の学校では、大学・専門学校含めて50%台が2校、60%ちょうどが1校、80台、90%台、そしてうちの100%となります。

国家試験~全員合格!東北で唯一の100%達成!!いっぽうで全国の合格率は過去最・・・(汗)

私が7年前教員として入職したとき、当校の合格率は60%台でした。

……60?

私ももちろん国家試験に受かって作業療法士をやっているので、国家試験がどんなものか知っています。

知ったうえで、そんなに落ちることが信じられませんでした。

そして私の心配事は落ちた40%の学生に向かいます。

国家試験に落ちたら…

“人生は長い”

“落ちても来年合格すればいい”

と思いますよね。

現実は厳しいです。

調べてみてわかったのですが、浪人受験者の合格率は、毎年たったの10~20%程度です。

作業療法科の教員として、この数字に愕然としました。

数字から分かるように一度落ちたらなかなか作業療法士になれない。

3年~4年間学校に通って、臨床実習も行って卒業もしたのに、結局作業療法士になれないんですよ。

(※卒業者には国家試験の受験資格が与えられるだけです。作業療法士の免許取得は国家試験の合格が必要です)

3年制を選ぶか、4年制を選ぶかという話

私立の専門学校を選ぶ場合、3年制か4年制か選択できます。

どちががオススメかというと、結局のところ「人による」「事情による」「学力による」としか言えません。

入試倍率の高い大学に合格できる人は、おそらく受験慣れしているでしょう。

そういう人にとって、作業療法の国家試験はそれほど難しくありません。

そうでないならば、高校を卒業後、専門学校に進学して初めて本格的な勉強をすることになります。

国家試験の試験時間は5時間20分。

マークシート方式とは言え、一夜漬けでこなせる試験ではありません。

5時間20分の試験を暗記しきれるわけがないので、単純な回答ではなく、論理的思考を持って「解答」していくことになります。

仕事につながる本格的な勉強です。

さて、合格率で3年制と4年制を比較すると、当たり前ですけど、全国的に4年制学校のほうが合格率が高くなっています。

仙台保健福祉専門学校も4年制です。

3年で卒業して、失敗しても4年目で合格すればそれでいいという考え方は、それ自体間違ってないと思いますが、「浪人生の合格率が10~20%」という事実からすると、その考え方は少し楽観的かもしれません。

「結果が出ないのは自己責任」……で済ませたくない

在学中に学生は20歳を迎えます。

医療系なので、20歳を超えてから入学する学生も少なくないです。

年齢的に大人ですから、結果が出ないのは自己責任、という空気はあります。

学力は、これはもう圧倒的に不公平で、同じ問題を3分で理解できる人もいれば1時間かかる人もいます。

自分の学力に合わせて、必要なだけ、結果が出るまで勉強する、それが大人。

それができなければ自己責任。

それはまあ、そうなのですが、高校を卒業して初めて本格的に勉強する人もいるわけです。

どれだけ勉強すれば、どれだけの結果が出るか、感覚的にわからなければ頑張りきれません。

さらにいえば、入学から4年間教えてきた自分の学生に対して、国家試験だけ「結果が出ないのは自己責任」で済ませる気にはなれないのです。

そういったわけで国家試験の合格率にこだわるようになりました。

合格率が高い、低いには理由がある

試行錯誤しながら合格率を60%→100%にしてきたので、合格率が低い理由、高い理由はある程度わかっているつもりです。

国家試験の勉強は、伝統的に自習です。

友達と勉強したり、学生同士でグループを作って勉強したり、いろいろ形態はありますが、国公立大学も、私立の専門学校も基本的に試験対策は自習です。

出題範囲、傾向、その解き方、暗記の方法…こういったものをグループで手分けしたり、自ら調べたりして勉強していきます。

そしてわからないところがあったら教員に聞きに行く。

この伝統的方式は、時間と気力が必要になります。

学生の強い意志、学校側の協力、ときには強制力を使い、夜遅くまで試験に立ち向かう。

私立の専門学校のうち、合格率が高いところはそれができる学校だと思います。(※うちはその方式はとらずに高い合格率を目指しています)

一方で強い意志がなかったり、学校側の協力や強制力がなければ、脱落していく学生が出てきます。

その結果が全国平均70~80%。

脱落は自己責任。

これだとなかなか合格率は上がってきませんよね。

厳しさは合格率につながるけれど、厳しくなくても合格できる

仙台保健福祉専門学校は、自習形式と講義のハイブリッドです。

勉強は夕方5時まで。

インフルエンザが流行る時期なので、体調管理も大事。

できるだけ効率よく合格する。

効率は無視できない。

現場で仕事ができる人は効率のいい人です。

作業療法科のオープンキャンパスでは、そういう国家試験のノウハウやデータのお話もします。

授業の様子なんかは作業療法科のブログを見てもらうのがいいと思います。

……長くなったので、そのへんの勉強方法は次回の記事で書いていきます。

こうやって国家試験の合格率をあげてきました。卒業しても作業療法士になれない、免許とれない、を無くしたい!

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