臨床実習にて ~患者さんからの「ありがとう」~
理学療法教育において重要な位置を占める臨床実習。
そこでは患者さんを通して様々な学びを得ることができます。
現在、4年生が行っている臨床実習でこんな場面がありました。
(現場の指導者から聞いた話です)
その日は学生が担当していた患者さんが自宅に退院する日でした。
まだ身体に不自由さを残しての退院であったため、学生は退院後もお家でできる運動メニューを考えて、それをイラスト付きで描いて患者さんに渡しました。
患者さんは大変喜んで、何度も「ありがとう」と言いながら用紙を受け取りました。
その言葉を聞いた学生は、病室を出てから涙が溢れだしました。
涙には2つの理由があったようです。
1つは感謝されて嬉しいという気持ち。
もう1つは、「自分はこの患者さんのために全力を尽くしたか?」
「いや、もっと出来たはずだ」という悔しい涙でした。
理学療法士は専門職であり、知識や技術が重要であることは言うまでもありません。
しかし、今回の学生はそれ以上に大切なものを患者さんから得たようです。
教員にとっても大変嬉しい出来事でした。
患者さんからの「ありがとう」の言葉。
理学療法士の成長の源はそこにあるのかもしれません。